本当のカットとドロップの違い

2019年8月16日

 こんにちわ。真幸です。いつも当ブログをお読みくださり、ありがとうございます。今回は、カットとドロップの違いを解説していきます。「これって、何が違うの?」「違いは分かったけど、打ち方はどう違うの?」「人によって言う事が違うので、よく分からない!」という方は、けっこうおられるのではないでしょうか。そんな貴方に、本当のカットとドロップの違いをお見せしたいと思います。他のブログなどを拝見させていただくと、ドロップと「スライス」を混同されている方が多いようです。そこで私は、皆さんに『「バドミントン」 現代スポーツコーチ実践講座12』(著:阿部 一佳) に基づいてドロップの打ち方を紹介します。まず最初に、カットとドロップがどう違うのかを解説して、次の「スライス」の記事でもドロップとの違いを説明します。

 さて、カットとドロップは、どう違うのか?カットは、シャトルがネットの上部を通過してサービスラインを超えた辺りに落ちます。スピードは速く、軌道は直線に近い曲線といったところです。クロスカットの時は、より急激に落ちます。

 一方で、ドロップの軌道は山なりでスピードは遅く、シャトルがネットを超えてからサービスラインより手前に落ちます。では、打ち方がどう違うのかを、下の連続写真で説明します。

1.カットとリバースカット

シャトルに当てるまでは、スマッシュやクリアーと同じ。まずは、0.1秒ほど確実にフラットに当てる。
右利きの場合は、シャトルに当ててから手首をキュッ!と曲げてシャトルの外側をなぞるように振ると、カットになる。
当ててから手首を目一杯反りつつ、羽根の内側をなぞるようにして打つと、リバースカットになる。

 カットには2種類あります。普通のカットとラウンド側から逆クロスに打つ「リバースカット」です。特にリバースカットは、初心者に対しては効きます。また、手首をどうしても曲げて打つ癖が治らない時は、リバースカットを多めに練習すると回内運動を上手く使えるようになる場合があります。逆にリバースカットがかかりすぎて改善出来ないときもありますが…。

2.ドロップの打ち方

 ドロップは、ラケットの面がシャトルに当たってから回内運動を止めて、そのまま手関節も肘関節も1㎜たりとも動かしません。そのまま壁にペンキを塗るように、または左官が壁を製作するように下に振ると、シャトルは山なりの軌道でネットを超えてからすぐに落ちます。写真で表すと、以下のようになります。

当て方は、スマッシュやクリアー・カットと統一する。
シャトルに当ててから回内運動を止めて、どこも動かさない。
そのままペンキを壁に塗る感じで振り抜く。
手首も肘も、1㎜も動かさないようにしながら肩から先だけで振る。

 横から見ると、違いが分かり易いとおもいますので、別の角度から見てみましょう。

当てる位置も、スマッシュやクリアーと同じにする。
カットやリバースカットは、当てたところより前にラケットヘッドが出る。
ドロップは、手首も肘も、動きません。肩から先を一本の棒のようにして振り下ろす。
そのまま最後まで振り抜きます。

 ドロップの動画で一番正しく振れているのは、藤本ホセマリ氏の打ち方です。他の方の解説は、ドロップではなく「スライス」の打ち方になっていることが多いです。シャトルの軌道はそっくりなので、間違え易いんですよね。下の動画の29秒から見て頂くと、解説した通りにシャトルに当たってからは手首も肘関節もも動かず、肩から先を可能な限り固定して素早く撫でおろすようにラケットを振っているのが分かると思います。ついでに、カットとドロップの違いもご覧ください。

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3.なんと!ドロップは、役に立たない?

 ここで私は、一つ皆様に申し上げなくてはなりません。経験上、本当の打ち方でドロップを打てるようになっても、上級者には通用しません。また、次の記事で解説する「スライス」を練習する方が、よっぽどフェイント効果もあって実戦向きです。最近のトッププレイヤーは、林丹選手とリー・チョンウエィ選手が一つ上の次元へバドミントン全体のレベルを押し上げた為、前世代とは比較にならないぐらいのスピードでコートを移動できるように練習しています。その為、球速が遅いドロップを打つと、逆に厳しいヘアピンをネットに打たれてしまし、形勢が一気に逆転しかねません。一般市民レベルでなら、ある程度は効果的だとは思いますが、それでもドロップを練習する暇があるならスライスを練習するべきでしょう。私は、遊びでやることはありますが、本気の試合でドロップを使うことはありません。全てスライスで対応します。

 ただ、指導者たる者は、カットとドロップの違いを明確に知っておき、実演出来るべきです。インターネット上の情報ではスライスと混同しているものが散見されるので、入手困難ではありますが『「バドミントン」 現代スポーツコーチ実践講座12』をよくご覧になり、正しい打ち方を解説できるべきだと考えます。

 以上、カットとドロップの違いを解説してきましたが、如何だったでしょうか?カットの詳しい打ち方は、YouTubeなどで動画を何度も確認するか、身近な上手い人に教わるのが良いと思います。ブログの画像と文章だけだと、表現に限界があってなかなか伝わりにくい部分があります。それと、私は、本当のドロップを紹介出来ている動画を未だに見たことがありません。一度練習に戻られたら、一度は実践してみることをお勧めします。後日、動画を追加するか、YouTubeで良かった動画を張り付けておきます。では、次の「スライス」の解説で会いましょう。