バックハンドでロビングを簡単に打つこつ3つ

2019年8月16日

理想的なバックハンドのロビングの図

1.ラケットの持ち替えを覚えましょう

 バックハンドでロビングを打つことは、バドミントンをする上で避けては通れません。これが出来ないと、試合はおろか練習すらも成り立たないでしょう。とはいうものの、初心者にとっては意外に難しいものです。最初にいくつかある難関の一つだと思います。バックハンドのロビングのコツは、3つあります。

1.ラケットをバックハンドグリップに持ち替える

2.捻挫しないように踵から踏み込む

3.シャトルを押すのではなく、擦り上げる

 特に初心者の方が何で躓くかというと、ラケットの持ち替えだと思います。最初の写真と下の写真のラケットを持っている手にご注目ください。

 最初の写真では、親指がグリップの一番広い所を押していますね。イースタングリップ(包丁の持ち方とほぼ一緒)からラケットを90度回して、持ち替えて打っていることが分かります。バックハンドでロビングを打つ時は、下の写真のようにラケットを持ち替えないといけないのです。

 バックハンドには、2つの握り方があります。ここでは、最初の写真の持ち方を通常のバックハンドもしくはバックハンド1と、2枚目の写真の持ち方をバックハンド2と呼ぶことにします。この持ち替えが、初心者の方にとっては重要になります。ここで躓く方もけっこうおられますが、誰しもが通る道なので根気よく取り組みましょう。どちらも親指・人差し指・中指の3本を使って、イースタングリップからラケットのグリップを素早く回して持ち替えます。ダブルスの試合だと、よくクルクルとラケットを回している人を見かけませんか?あの要領です。どちらかというと、バックからフォアハンドの方が持ち替えやすいです。ダブルスでは、自分かパートナーが球を上げたら(クリアーやロブを打ったら)基本的にはバックハンドで構えますので、まずはクリアーやロビングを打ったらホームポジションへ戻ります。それから、バックハンドに持ち替えて次の球を待つように練習されては如何でしょうか?持ち替えた後は、腕とラケットを直角にしておき、手首を反った状態にします。いわゆるリストスタンドと呼ばれる状態です。

これがリストスタンドです。腕とラケットを直角にします。

 バックハンド1は、一般的な持ち方でロビングからレシーブやドライブまで幅広く対応します。ラケットの面が真っ直ぐ前を向いているので、初心者の方は、まずはこの持ち方で打つことをお勧めします。しっかりとリストスタンドをすることによって、各ショットが安定します。バックハンド2は、ラケットの面がバックハンド1よりも斜めになるので、感覚にズレが生じることがあります。初心者の方は、まずはバックハンド1で練習すると良いでしょう。

 バックハンド2は、シングルスの選手によく見られます。速い球を返球する時にバックハンド1の状態までラケットを回して持ち替えていると、ラケットの持ち替えが間に合わなくなることがあります。グリップの一番狭い斜めのところへ親指を置き、リストスタンドを行います。また、ハイバックでクリアーやスマッシュを打つ時は、必ずこの持ち方です。バックハンド1だと、フレームが当たりにいってしまい打てません。これに関しては、後のハイバックのところで詳しく説明します。

バックハンド2に近い持ち方で打とうとしています。
こちらは、バックハンド1に近い持ち方です。

 じゃ、プロの選手はどうやっているのでしょうか?彼らは、打ちたいショットや状況によって使い分けています。上級者はどちらでも打てるので、ケースバイケースです。

 打つ前は、ほとんどフォアハンドと一緒の場合もあります。
こちらは、完全なバックハンド1
こちらは、バックハンド2に近いです。
 スマッシュレシーブの時は、このペアのようにバックハンド1の場合が多いです。

 フォアハンドからバックハンドへのグリップの持ち替えが間に合わなかった場合は、イースタングリップの状態で親指を当てて、ラケットを指で回しながら打ちます。0.1秒ぐらいだけラケットの面が正面を向きます。その時にシャトルを当てます。とりあえずストレートに上げて、しっかりと次の球を待ちましょう。

2.踵からしっかりと踏み込みましょう

 前回のロビングの記事内で説明したとおり、しっかりと踵から踏み込むことによって、捻挫を防ぐことが出来ます。バックハンド側のネット前が、一番捻挫をする可能性が高いです。爪先が内側を向きやすきい上に、重心はネット側にかかるからです。踵から踏み込めば、最低でも爪先は正面を向きます。そこへ、足の指先を外側に向けて踏み込むようにすれば、完璧です。よく止まれるし、ホームポジションへ戻るのも速くなります。勢いよく踏み込むだけで、フェイントにもなります。

踵から踏み込む!これは、絶対に守ってください!

 これって、意外に教えてくれないんですよね。物凄く大事なことなので、確実に習得する必要があります。たまに誤解されている方がおられますが、利き足の爪先は、バック前では相手側に向きます。

しっかりと踵から踏み込んでいます。爪先も外側(相手側)を向いているので捻挫しません。
危険な捕り方です。つま先が内側を向いています。ヒダヤット選手だからこそ出来る。初心者の方は、真似しないように。

 これもフォアハンドのロビングの記事で書いたことですが、大事なのでもう一度言います。ヒダヤット選手のように、爪先を内側にして踏むこむ選手が稀にいます。これは、ホームポジションへ戻る速さを優先しているからです。林丹選手は、爪先が真正面を向いていることが多いです。シャトルランをする時って、重心を後ろにしたままインステップで踏み込みますよね?その方が、速く往復できます。それと同じです。ただし、これは捻挫しないように踏み込むことが出来る上級者がすることです。初心者の方が「金メダリストがやっているんだから、こっちが正解だ!」と思ってやると、必ず捻挫します。絶対にしてはいけません。中級者以上に教えることがあっても、知識として教えるだけに留まるべきで決して無理強いできません。

3.シャトルを手の横で当てて、擦り上げましょう。

 ロビングをしっかりと上げるコツは、シャトルを手の横で当てて、そこから擦り上げるようにして振ることです。シャトルにスピン回転をさせることによって、ジャイロ効果を発生させます。これによって、シャトルが可能な限り減速せずに飛んでいき、しっかりとコート奥までシャトルを飛ばせます。

 時々押すようにして打つようにと教える人がいますが、押すだけと言われると本当に押すだけになる方もしらっしゃいますし、アタックロブと呼ばれる低い軌道のロビングになります。そうなると、今度は、相手が練習にならなくなります。しっかりと手首は1㎜たりとも動かさずに手の横で当てて、自分の人差し指から小指までの4本指の爪が見えるぐらい擦り上げましょう。そうすれば、綺麗なロビングが上げられます。

 あとは、段階的にフットワークを組み込んで練習をすれば、バックハンドのロビングを修得できるでしょう。最初は、一歩踏み込んだけの状態から始めて、両足を揃えた状態から一歩だけ踏み込んで打つ。それができたら、3歩で打つようにします。これも出来るようになったら、試合のようにカットを打ってもらいます。この時に、フットワークを特に意識して練習すると、実際の試合でも動けて打てるようになります。ロビングは、コツさえ掴んでしまえば打てるますので、捻挫をしないように練習しましょう。

 これまで述べてきたことは、下の動画に纏めております。英語の字幕ですが、見て頂ければより分かり易くなると思います。日本語版は近々制作する予定なので、良ければ見てやってください。

 次回は、カットとドロップの違いについて書きたいと思います。お楽しみに!

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