スマッシュの正しい打ち方(後編:修得編)

2019年9月16日

 さて、知識を詰め込んだ後は、実践あるのみです。一方で、「やり方は分かったんだけど、どうやっても上手くならない。」「具体的な練習方法が分からない。」と、困っていませんか?この記事とここに掲載されている動画をご覧になり、集中的に練習してくだされば次の3点を修得できます。

1.早ければ3日でスマッシュが打てるようになる。(遅くともフットワーク込みで1週間)

2.怪我をしない打ち方になる。

3.気持ちよくスマッシュが打てる。

1.週に3回は練習しましょう。

 まず、打ち方がどうこう言う前に、と~っても大事なことがあります。それは、週に3回は練習することです。経験上、週に3回練習すると現状維持かちょっとずつ上手くなります。週に4回以上練習すると、みるみる上手くなります。

 逆に、練習回数が週に2回だと、ちょっとずつ下手になっていきます。上手くなることは,そうとう難しいです。週に1回だと、どんどん下手になります。底が見えないぐらいです。

 でも、これって人間だから当たり前なのです。週に1回か2回で上手くなるのなら、誰も苦労しません。基本的に、プロとかYouTubeに動画を上げれるような人って、毎日練習できる人なんですよ。ただ、この「週3回練習する」っていうのが、社会人になると難しい。まず、残業があるかないか。他にも、病院や施設での勤務とか、3交代のシフトを組んでたりすれば、もうアウト。自分の所属チームが、週に1回か2回するかしないかでしょうから、都合が合わなかったら他のチームへ出稽古に行かないといけない。でも、相性が合うチームをもう一つ見つけることは、けっこう難しいこともあります。

 ましてや、夫の場合は結婚して子供が小さいのに週に3回も家を空けたら、離婚届けにスマッシュを打たなあかんでしょ。そりゃマズい。逆に妻が練習に行きたいと思っても、子供が小さければよほど夫が協力的でないと練習に参加できません。だから、週3回以上練習するのって、意外に難しいんですよ。これをけっこうな方が、分かってないです。これの解決策は、家の天井からシャトルを吊るして当てる練習をすることぐらいしか思いつかないですね。戸建てでも屋根がそう高いとは限らないから、膝立ちするしかないか…。けどですよ、特に初心者のうちは、こうしてでも練習するしかないんだな、これが。素振りを安易に思い浮かびますが、実際にシャトルを見ながら振らないと、実際の場面では打てません。動画の中でも言っていることですが、脳は、シャトルを見ながら振るのと、素振りをするのは全く違う運動と認識するようです。だから、素振りはただの筋トレでしかないです。実際に早く初心者を脱出するためには、シャトルを見ながら振るように何か工夫する必要があります。

2.動作をバラして一つずつ修得しましょう。

 最も効率的に修得する方法は、動作をバラして一つずつ練習することです。こうすることで、速い段階でスマッシュを打てるようになります。元ネタは、たしか「すイエんサー」だったような…。テニスのサーブに関する番組で、たまたま見ました。アイドルの方が数名テニスのサーブを習うのですが、教えていた大学の先生が秀逸でした。トスを上げて構えるだけとか、膝立ちで打つとか、とにかく動作をバラして一つずつ修得していくのです。これを取り入れてみたら、凄く良かった!これはねえ、良いですよ!超がつくほどお勧めです。

 学校のクラブだと、新入部員は2~3カ月は素振りばっかりで打ち始めてもろくに教えてもらえず、下手をするとクリーが打てるようになるまでに1年近くかかる場合があります。もしくは、いわゆる汚い打ち方が身に付いてしまって、修正がほぼ不可能になってしまうかです。こうなると、部員全体のレベルが下がって練習の質も下がります。当たり前ですが、速い球をお互いに打てなければ、速い球への練習は出来ません。でも、上手くなるってことは、攻撃にしろ守るにしろより速い球を打てる、もしくは対応できるようになるってことですよ。その為には、一刻も早く正しい打ち方を身に付けないといけません。

 そこで、動作を一つずつ習得していけば、毎日集中的に練習するとフットワークも合わせて3日で打てるようになります。遅くとも1週間で打てるようになります。教える側がついついやってしまうことは、一度に全てを修得させようとすることです。スマッシュやクリアーって、やることがとっても多いんです。まず、飛んでいくシャトルの下に最適なスピードで移動しないといけない。そして、前編と中編で解説した一連の動作を全て滑らかに実行しなければいけません。跳んで、足を入れ替えて、肩関節(上腕)の内旋、前腕の回内、手首は曲げずに、振る時もコンパクトにって、そりゃあ盛り沢山ですね~。これらを一度に初心者に求めるのは、酷じゃないですか?むしろ、教え方が酷いのであって、習う方に問題はないです。

3.練習の最初に集中して覚えよう。

 新しい振り方や技を覚える時は、練習の最初に試すのが最も効率的です。練習の後半を過ぎると、脳が疲れてきて新しい振り方を脳に入力できません。日本では基礎打ち(いわゆるアップ)をよくする傾向ですが、その中でプッシュを打つ時に集中して、回内運動を使って打つことを覚えます。やる気のある学校の部員なんかは、居残り練習をよく練習します。しかし、その時は既に頭が疲れているので、ただの筋トレにならないように注意する必要があります。

4.3日でスマッシュを打てるようになる。

 さて、動画ではお伝えしきれなかった大切なことを、少し長くなってしまいましたが述べさせて頂きました。これまで述べてきたことを踏まえて次の動画をご覧になって頂ければ、最短3日間以内で強烈なスマッシュを打てるようになります。

 まず、腕の各部位の動かし方の説明をしています。回内・回外運動や内旋・外旋運動などは、後でハイバックとかロビングなどの打ち方の時にも使いますので、よく覚えておいてください。

 よく腰を回すように教える人を見かけますが、それは違うと思います。両足を入れ替えているから腰を回しているように見えるだけで、腰は回していません。回しているとしても、体が正面を向いた時点で回転は止まります。あとは惰性です。前編で引用したYouTubeの動画をご覧になれば、分かると思います。

 ラケットの引き方に関しては、気にしなくて良いと思います。むしろ、体が自動的に行う反動動作(ラギングバック)の一環として捉えるべきでしょう。初心者の方は、好きな選手を参考にすれば良いと思います。

 構え方に関しては、いろいろ言われています。特に「ラケットを持っていない方の手でシャトルを掴むように」して、腕を伸ばして構えるという説明は如何にもな感じでもっともらしいです。けど、これも違うと思います。実際に、私は左手でシャトルとの距離感を図ったりしません。試合中にいちいちそんなことをするプロ選手がいますでしょうか?左手を上げるのは、単に体の左右のバランスを整える為です。

 よくある誤解に、右利きならば右手が左脇腹の横にくるように振り切るというものがあります。ではなく、バドミントンのオーバーヘッドストロークは、内旋運動と回内運動を最大限に利用すると最も効率的に力を発揮します。まだこの動画の振り方を実践されていない方は、ぜひ騙されたと思ってこの動画の振り方をやってみて頂きたいです。私の場合でいうと、右手を体の外側に敢えて振ります。少し外へ膨らむように振ると、ラケットヘッドが真下を向くぐらい回内運動を使うことが出来ます。その後、右手は右太腿の真横に来ます。この振り方だと、めちゃくちゃ楽にストレートスマッシュを打てるのでお勧めです。オーバーヘッドストロークをスローモーションで観たいという方は、下記の動画をどうぞ。決して手首で打っていないことも同時にお分かりいただけると思います。

46秒から始まるスローモーションの映像に注目!手首は曲げません。
1分07秒のスローモーションの映像も良いですね。手首はずっと反ったままなのが分かります。
私が解説した通りの打ち方になっているでしょう?

 回内運動を使って打つには、手の横でシャトルを当てるのが一番です。これは、基礎打ち(地域や人によっては基本とかアップと言ったりします。)の時のプッシュで身に付けます。常に手首を反ったままで打ち続けましょう。また、これらをすることで、ラケットが自然と肘の後ろから出てくるようになります。そうすると、ラギングバックが最大化して、強力なスマッシュを打てるようになります。

 ジャンプして両足を入れ替えますが、この時、着地する爪先は、コートの外側を向いていなければいけません。もし爪先が前を向いたまま着地すれば、アキレス腱に全体重とコート後方へ流れる勢い全てが、一気に貴方のアキレス腱にのしかかってきます。そうなれば、アキレス腱を切ります。特に、ラウンド側のコート後方が、最もアキレス腱を切る可能性が高い箇所となっています。ちなみに、2番目はバックハンド側のネット前です。

 これを教えない人が、けっこう多いんですよね~。知らないのでしょうけど、そうだとするともっと恐ろしい事態ですな。ただ、一発で切ることは稀で、ほとんどは過去の悪習の積み重ねで発生します。運動強度が低いクラブだと、そのまま気付かずに引退して何事もなかったという方もおられるでしょう。しかしながら、アキレス腱を切ったら洒落にならないので、皆様気をつけてください。

 そのラウンド側からスマッシュやクリアーを打つ時は、腕とラケットを直角にして(いわゆるグー握り)、ラケットヘッドを横に振るようにします。下に振るのではありません。ラウンド側は難しいですが、この打ち方でスマッシュをすれば、サイドラインを狙ってアウトになるのを防ぎ易くなります。

 以上、これまで4回に分けてスマッシュの打ち方について説明をして参りました。最後までお読みくださり、ありがとうございます。初心者の方にとってこれらの記事が役立つことを、願っております。この動画の通りに週に3回練習をしていただければ、きっと気持ちの良いスマッシュを打てるようになると思います。そうなると、違った景色が見えてきて、またバドミントンが楽しくなるでしょう。それでは、次の記事で会いましょう!今後とも、よろしくお願いします!

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