スマッシュの正しい打ち方(中編:打ち方を見る)

2019年9月22日

貴方も、こんなふうに打てるようになる!

 こんにちは、真幸です。初心者の皆さん、早くこんなふうにスマッシュを打ちたいですよね?前回の記事と、今回の記事、そして後編の修得方法の記事を見てくだされば、きっと打てるようになります。今回は、実際のフォームを見ながら、スマッシュの打ち方を解説していきます。写真は、敢えて左利き様を用意しました。右利きの写真は巷に溢れていますが、なかなか左利きの写真はないものです。右利きの方は、そのまま鏡を見るように真似をしてくだされば大丈夫だと考えました。

 また、この記事では手首や肘の怪我予防だけではなく、アキレス腱の切断を回避する方法も説明しますので、じっくりと読んでいただけたらと思います。上の写真には、速いスマッシュを打つ為のエッセンスが凝縮されているので、後でじっくりと解説しますね。さて、このブログを読んでくだされば、初心者の方は以下の3点を修得可能です。

1.スマッシュやクリアーの正しい打ち方が分かる。

2.怪我の回避方法を学べる。

3.教え方が上手になる。

1.まずは、構え方から

 まずは、半身になりましょう。次に、ラケットを持っていない方の手は、体に任せておきましょう。この写真だと、右手ですね。よく耳にするのは、シャトルを掴むように腕を伸ばすというような説明です。これは、もっともらしい説明ですが、実際は必要ないです。反対側の手は、脳が自動的に背骨を軸にして左右のバランスを取る為に上げています。ですので、右利きの人であれば、左手のことは体に任せておけば良いです。経験上、いちいち打つときに手でシャトルとの距離を測ったりしません。

林丹選手の構え方

 ラケットを持っている位置は、人によって異なります。あまり厳密な決まりはありません。肩より上の手を出す人が多いし、そう教える人も多いです。まずは、好きな選手の構え方を真似してみましょう。

リー・チョンウエィ選手

2.恐怖!アキレス腱の断絶!

 さて、次は後ろ側の足で跳んで、体を入れ替えます。こうすることでラケットを持っている側の肩関節を前方に出して、振り易くします。この時、必ずこれは守ってください。さもなければ、アキレス腱を切ることがあります。

 ラケットを持っている方の手と反対側の足の爪先を外側に向けて着地すること!

 これね、教えない人が多いんですよ。一発で切ることはないし、あまり強くないクラブチームだと、運動強度が低いため、気付かないうちに引退することが多いです。だから、気付かないことが多いのです。ですが、特にラウンド側でジャンプして足を入れ替える時は要注意です。バドミントンのコート上で最もアキレス腱を切る確率が高い場所です。両足を入れ替える時は、下の写真のように着地してください。

爪先を外に向けて着地

 絶対に、爪先を真正面に向けて着地しないように!

3.手の横(内側)で当てよう!

 ほとんどの初心者の方は、手の上でシャトルを当てようとします。これは、仕方のないことです。人間は、物を投げる生き物ですから、手首のスナップを効かせる(背屈と掌屈)ようとするのは当たり前です。ところが、これがスマッシュを打つとなると大きな妨げになります。手首を曲げると、当たる直前まではラケットの面が前を向いているのですが、そこから急激に変化して自分の方向へ巻き込んでしまいます。

 これを防ぐ方法は、下の写真の様に手首を反ったまま手の横(内側)で当てることです。

「ここ」にグリップの底を叩きつける!

 シャトルの斜め下当たりに何か標的があると思って、そこへグリップの底を叩きつけます!そうすると、勝手にラケットヘッドは肘の後ろまで一度来て、そこからシャトルにラケットを当てようとしてくれます。すると、内旋運動も回内運動も自動的に使えます。その上、内旋運動と回内運動を最大化してくれるので、同じ筋力と関節可動域で打つのなら、断然この方法が良いです。これは、教える際にも凄く役立ちます。私も久しぶりにする時や、調子が悪いと感じるとこの方法を意識して打ちます。そうすると、気持ち良くスマッシュが打てます。回内運動がどうのこうのと考えなくても、勝手に使えちゃうのが良いですね。ひじょうにお勧めです。

ラケットは、一度肘の後ろへ移動
ラケットが、肘の後ろに来てます。
引退してしまいましたが、佐藤選手も同様に振っておられます。

4.側屈を加えよう

 「側屈って、何?」と思う方もおられるでしょう。私も、名称は知りませんでした。これは、体を横に傾けることで、ラジオ体操で必ずやるアレです。

側屈の写真

 皆さんも、やったことがあるでしょう?この側屈をスマッシュを打つ時に加えると、肩関節の可動域が広がって、よりラケットの移動距離が増えます。ということは、より加速してかつ、より長くシャトルを押し出せるということです。ほんの少しだけ打点を高くできますが、それよりも肩関節を回しやすくしてラケットヘッドをさらに加速させることが目的です。

側屈していない状態
側屈を加えた状態

5.ラケットヘッドを真下に

 シャトルにラケットの面を当てたら、ラケットヘッドが真下に向くように振ります。こうすることで、回内運動を限界まで使えます。あとは、体が肘関節の負傷を防ぐために自動的に戻してくれます。

ラケットヘッドを外に振る感じ
ラケットヘッドは真下を向く
佐々木選手
ほら、ラケットヘッドは真下を向いてます。
遠藤選手も同様に振っています。

6.反対側の手の謎

 先ほどの3枚の写真を見ていただくと、それぞれの選手の左手が折りたたまれていながらも、その形は人それぞれであることが分かります。これは、「角運動量保存の法則」によるものです。この場合、体の右側で「ラケットを振る」という大きな運動が起きているので、反対の左手に力を入れて体の左右のバランスを取ろうとしています。脳が自動的に行ってくれる現象で、ラケットを持っていない手がどんな形になるのかは、人によって違います。

7.太腿の横に手が来て終わる

 振り切り方は、利き手側の太腿の外に手が来て終わります。野球やテニスの様な振り切り方を教えたリする人をよく見かけますが、それは間違いです。

 まず、そこまで振ってしまうと、スマッシュを返された時に対応できません。現代のバドミントンは、ラケットの性能の向上によりスマッシュもレシーブも両方レベルアップしています。コートの半分くらいからスマッシュを打っても、返る時はあります。世界トップレベルなら、まず決まらないと考えるべきです。

 次に、野球はスナップを効かせて球の回転量を増やすように投げています。また、テニスはラケットが重いのと、ネットの高さとサービスの範囲との関係で3メートルぐらい打点じゃないと、完全フラットサービスは打てないようになっています。これは、三角法の計算で分かります。これらと混同している人が、上級者の中でも多いです。自分ではきちんと太腿の横で止めていても、人にはボールを投げるように振れと言う人がいるので厄介なものです。それでは、何枚か写真を見てみましょう。

体は正面を向いて手は太腿の横で終わる
これは、振り過ぎ
ラケットを握っている手は、体の正面に来ません。写真のように、常に体の外側にいます。

 横から見ると、こんな感じです。

一旦ラケットは上に、少し戻る
 これが、正しい振り切り方

 前回と今回の記事によって、正しいスマッシュの打ち方はどういうものかをお分かり頂けたと思います。次回の「後編:習得方法の巻」では、実際にどうやって打ち方を練習すれば良いのかを解説していきます。

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