スマッシュの正しい打ち方(前編:解説の巻)

2020年1月26日

1.スマッシュ修得までの道のり

バドミントンといえば、やっぱりスマッシュ!

 バドミントンといえば、やっぱりスマッシュですよね!でも、これが打とうと思うと、すこぶる難しい。また、教え方が分からなくて困っているという方もおられると思います。特に学校の先生は、バドミントンの経験がないのに監督に指名されることが稀にあります。これは、悩ましいことです。スポーツは何でもそうだと思いますが、一度身に付けてしまえばどうってことはないのです。ただ、スマッシュを打つにはやることがとても多く、社会人になって始めると相当修得に時間がかかります。私は高校生から始めたのですが、まだ学生で週4~5回は練習できたので何とかなりました。けれども、社会人から始めて今のようになれるか?と考えると、結構難しいです。残業続きになったら、バドミントンどころじゃないです。家庭を持って子どもが出来れば、子育てを優先することになるでしょう。

 とはいうものの、とりあえず打ち方を知りたいわけです。さて、そんな貴方のために、まずは、体や腕の使い方を解説していきます。そして、この記事も含めて4つの章に分けてスマッシュの打ち方を説明します。そうすることで、後の練習の段階で効率よく基本的な技術をどんどん修得できます。このブログを読んでくださると、以下の3点が可能になります。

 1.腕の各部位の動かし方が分かる。

 2.手首と肘の怪我の回避方法が分かる。

 3.正しい表現で教えることが出来るようになる。

 まずは、体の各部位とそれに付随する動作の名前を見ていきましょう。最初は、手首についてです。下の図をご覧ください。

2.回内運動って、何?

 まずは、手首に関する動かし方の名称について見ていきましょう。これ、非常に重要です。他のショットの解説でも頻繁に出てきますので、よく覚えておいてください。

「バドミントンは手首だ。」という意見は、よく耳にしますよね?はっきり言って、それは嘘です。スマッシュやクリアーを打つ時は、手首を反ったまま固定します。そして、手の横でシャトルを当てて、ラケットの面でシャトルを押し出すように打ちます。難しく言うと、手関節を撓屈(とうくつ)と背屈(はいくつ)の状態にします。ほぼ背屈のみと言っても良いです。いわゆる「グー握り」になります。これに、肩関節の内旋運動と前腕の回内運動を加えてラケットを振ります。

 こう言うと、頭が「?」だらけにならないでしょうか?教える時は、要注意の瞬間です。こうなると、全くその後の説明が頭に入らなります。回内運動で有名なのは、ドアノブを回す時の手の動かし方です。もしくは、団扇を仰ぐ時です。あまり良くない例でいえば、昔のパチンコをやる時の動きですね。

 「え?バドミントンは、手首でしょう。」と、ほとんどの方が思うでしょう。「実際に私は、手首を使って打っている。」という人が、大半かもしれません。しかしながら、本当にそうでしょうか?もし、手首を使う(尺屈しながら背屈→掌屈)と、面の向きが急激に斜めになり、シャトルをまともに打てなくなります。そして何より、非常に手首を痛めやすくなります。ここで、実際にプロの選手たちはスマッシュをどうやって打っているのかを見てみましょう。

3.プロは、手首を使わない。

 6分12~21秒、7分2~8秒のリー・チョンウエィ選手のスローモーションの場面をよく見れば、ラケットと前腕は直角になっており、手首を全く使っていない(曲げていない)ことが分かります。8分27秒の時は、ラウンド側から打っているということも関係していますが、シャトルを手の上ではなくシャトル3個分程手の横で当てていることが分かります。8分19秒からリンダン選手がスマッシュを打つ時も、同様に手の上でシャトルを当てるのではなく、シャトル2個分ぐらい手の内側で当てているのが分かります。スローモーションではないので、よ~く見ないと分かり辛いですが…。この打ち方(当て方)でスマッシュを打つと、非常に軽い力で速いスマッシュを打てるのでとってもお勧めです。しかも、手首を傷めません!

 もし、シャトルを当てる瞬間に”手首を使っている”のならば(スナップを効かせる、つまり、手首を曲げるのならば)、ラケットを持っている側の手の甲が視聴者側から見える筈です。教えている側もしくは、対戦相手側からも同様です。貴方自身は、貴方の指がみえる筈です。

 しかし、実際には手首は反ったままで(背屈の状態を維持)、シャトルを手の上ではなくシャトル2~3個分手の内側で当てています。そして、手首を反ったままラケットヘッドを下に振っています。回内運動を使って正しく振れた時は、自分からは自分の指が見えません。自分の手の甲のみが見えます。

 私の経験上、生徒側のラケットと腕を直角にさせておき、「手の横」で当てるように練習させると非常に上手くいきます。1㎜たりとも手首を動かせないようにするぐらいの気持ちでいわゆる「グー握り」にさせて、その状態を維持させたまま、手の上ではなく「手の横」で当てるように練習させると、最初は戸惑っていてもすぐにスマッシュを打てるようになります。

 これまでの説明で、「バドミントンは手首」「スマッシュは手首が大事」というのは、完全に目の錯覚からくる誤解だということがお分かり頂けたと思います。これにいち早く気付いた方が、より速く初心者を脱出できます。では、次の記事からスマッシュのの打ち方を詳しく見ていきましょう。

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